理解しにくい
医学研究用語

基礎研究

語の説明

「基礎研究」とは、「特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、または現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的または実験的研究*」のこと
一般に研究は「基礎研究、応用研究、開発研究」に分類される。医学系研究では「応用研究、開発研究」が臨床研究に相当し、それらと対比して使われることが多い。

*総務省統計局科学技術研究調査報告2021年

一般の人の理解・認識

一般の人の認知率(38.6%)はそれほど高くはないが、正答率(具体的な用途や応用を直接的な目的にしていない研究)は55.9%で、専門家より高かった。一方で25.7%の人は「医薬品の候補としたい物質を、細胞などに与えて反応を見る研究」と誤答した。
専門家の正答率は一般の人より低く、同様の誤答は4割程度であった。

ポイント

一部の専門家は基礎研究という用語を本来の意味より狭く捉えていた。つまり、専門家は臨床研究との対比するイメージが強いため、医学系研究に特化した使い方をしている可能性がある。一般の人とのコミュニケーションのずれを減らすために、このことを意識して使用するとよい。

例えばこんな言い換え使い方

言い換え例

「具体的な治療の開発などが直接の目的ではない研究」
「新しい理論や仮説を探るために行う研究」
「生命現象の根本原理を解明するための研究」

更新・確認日:2023年8月7日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局