プロジェクト概要

1.目的

  • 科学的根拠に基づいた医学系研究の成果を、一般の方が正しく理解できるように医学系研究者が情報発信するノウハウを構築すること
  • 医学系研究を一般の方に適切に発表できる人材を育成すること
  • 一般の方と医学系研究者との認識のギャップを減らし、より良いコミュニケーションにつなげること

2.研究の背景と概念

医学系研究を読み解くためには、「研究の基本的な知識(研究デザイン、統計など)」「特有の語彙や文脈」の理解が暗黙のうちに、読者に期待されていることが多いと考えています。逆に言えば、“暗黙の既知”を前提に情報発信する医学系研究者と、“暗黙の既知”がない一般の方の間にコミュニケーションギャップが生じる、ということです。
そこで本研究では、

  1. 文献的レビュー
  2. 医学系研究を取り扱った記事のコーパス(大規模な言語資料のデータベース)作成
  3. 1 および 2 を基にしたアンケート

という手順を踏み、コミュニケーションギャップを引き起こす問題を可視化、パターン化しました。
さらに、

  1. 多様な立場から議論を行い、医学系研究を一般にわかりやすく伝えるための手引き

を作成しました。
手引きは実際に使用して改善されることを前提にまとめられています。また手引きを基に、動画や一般向けリーフレットの制作、ワークショップなども行います。本プロジェクトが医学系研究者と一般の方のミス・コミュニケーションを減らし、より良い関係を構築する手助けになること、ひいては日本の医学系研究の発展につながることを願っています。

3.プロジェクトメンバー

荒牧 英治
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
市川 衛
武蔵大学社会学部 メディア社会学科 准教授
井出 博生
順天堂大学大学院 健康データサイエンス研究科 准教授
東京⼤学未来ビジョン研究センター 特任教授
井上 悠輔
京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療倫理学分野 教授
大江 和彦
順天堂大学大学院 健康データサイエンス研究科 特任教授
小川 留奈
帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 研究員
⾵間 浩
株式会社ケアネット執行役員CMO
東北⼤学 特任教授(客員)
河添 悦昌
東京大学大学院医学系研究科 医療AIデジタルツイン開発学講座 特任准教授
高山 智子
静岡社会健康医学大学院大学 社会健康医学研究科 教授
⽥中 牧郎
明治⼤学国際⽇本学部 専任教授
田中 祐輔
筑波大学 人文社会系 教授
ネフ 由紀子
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
野口 真理子
株式会社博報堂 マーケットデザインコンサルタント
早川 雅代
東京大学医学部付属病院 特任研究員
慶応大学薬学部 特任研究員
原木 万紀子
東京大学大学院 医学系研究科 医療コミュニケーション学教室 研究員
Baltic Film, Media and Arts School, Tallinn University, Postdoctoral Fellow
⼭⼝ 育⼦
認定特定⾮営利活動法⼈ささえあい医療⼈権センターCOML 理事長
山田 恵子
埼玉県立大学 保健医療福祉学部 准教授
若宮 翔子
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 准教授

(五十音順)

4.研究費情報

AMED シーズ開発・研究基盤事業部(拠点研究事業課)
研究開発推進ネットワーク事業

令和3(2021)年度
医学研究成果をわかりやすく発信する手引きの提案
令和4(2022)年度
「医学系研究の成果をわかりやすく発信する手引き」の普及と改善の提案

AMED研究倫理・社会共創推進プログラム

令和7(2025)~
令和11(2029)年度
「医学系研究をわかりやすく伝える手引き」を用いた科学コミュニケーション手法の研究開発
更新・確認日:2025年5月28日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局