実践編
チェックリスト

できるだけ押さえるべきポイント

4.研究デザインに言及しているか?

研究デザインは研究の質を決定する出発点なので必ず記載する。
特に臨床研究の場合、この研究はエビデンスのピラミッドのどこに当たる研究デザインかを記載する。
また、記載する際に、“PI(E)CO”を意識するとわかりやすい。

  • 誰を(Patient)
  • どのように介入または暴露して(Intervention/Exposure)
  • 何を比較として(Comparison)
  • どんな結果になったか(Outcome)

5.相関関係を因果関係として説明していないか?

ただの相関関係を原因と結果(因果関係)と読める文章にしていないか。
簡潔な文章を書こうとすると専門家でもつい陥りがちなので、他人に確認してもらうとよい。

「緑茶を飲んでいる人では、要介護の率が低かった」を、「緑茶は要介護のリスクを下げた」と書いていないか?

6.不確かさを表現できているか?

わかっていることと、わかっていないことを自身で明確に把握しているか。
その上で、まだわかっていない部分について触れているか。
研究の限界や、これからしなければならないことなどを説明しているか。

7.メリット・デメリットを正確に表現できているか?

  • メリットを強調しすぎていないか。
  • デメリットに触れているか。
  • 患者には他の選択肢もあることを忘れていないか。

研究で確かめた治療法や薬のメリットを過剰に強調しない。
メリットとデメリットを記載する。発表した研究の治療法や薬が患者にとって唯一の選択肢ではなく、他の選択肢もあることを忘れない。
また、メリットの条件や確率を記載し、読者が公平に判断できるようにする。

8.不要な情報がないか/情報量が多すぎないか?

1つの発表やレポートの主題は1つにしているか。
新聞の医学系研究の記事の平均的な文字数は300〜400字である。
よって、最終的にはこの程度まで短くなることを想定し、文章を作る。

更新・確認日:2023年2月28日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局