理解しにくい
医学研究用語

臨床研究、臨床試験、治験、医師主導(治験)、被験者

語の説明

この語群は、臨床研究に関連する用語である。この中では「臨床研究」が最も広い概念を指し、他の用語を包含する。
「臨床研究」とは、人を対象とした研究のことである。
「臨床試験」とは、臨床研究のうち、薬などを治療として使ってよいかどうかを検証するために、人体に対する影響を確認する研究のことである。
「治験」とは、臨床試験のうち、新しい薬などとして国から製造の承認を得るために行う研究のことである。
治験のうち、「医師主導治験」とは、製薬企業ではなく医師が主導する治験のことである。
「被験者」とは、研究の対象となる人のことである。

臨床試験とは

一般の人の理解・認識

「臨床研究」という用語を知っている人は半数弱であった(認知率45.6%)。そのうち、意味を正しく理解していた人は半数弱であった(正答率47.0%)。「治験」の正答率も48.6%と半数弱だったが、「臨床試験」では61.4%と、より多くの人に理解されていた。 一方、治験のうち、「医師主導治験」を理解している人は少なかった(正答率9.9%)。
「被験者」の正答率は28.2%にとどまった。
医師の「臨床試験」の正答率は56.8%であり、一般の人と逆転現象が起きていた。
「被験者」は、専門家でも理解している人は比較的少なかった。

ポイント

「臨床研究」「臨床試験」「治験」は場合により、「人を対象とした研究」と言い換えても良い。しかし、必ずしも他の語に言い換えるのではなく、相互の関係、違いを整理して伝えることが重要である。
「被験者」以外の用語について、研究者と医師の理解に一定の開きが見られるので、多機関共同研究で主に臨床に従事する医師に協力を求める際には留意する。

例えばこんな言い換え使い方

言い換え例

臨床研究・臨床試験・治験 → 「人を対象とした研究」

被験者 → 「研究対象者」

更新・確認日:2023年8月7日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局