理解しにくい
医学研究用語

プラセボ(偽薬)、候補薬(治験薬)

語の説明

「プラセボ」は、見た目や味は本物の薬と同じだが、糖やでんぷんなどで作られていて、薬の効果はない。一方で、効果が期待される薬を「候補薬」という。「候補薬」の効果を科学的に判断するには、臨床試験で研究対象者に服用してもらい、効果の有無や副作用の程度を確かめる必要がある。そのためには、比較するための「プラセボ」は重要な役割を果たす。

一般の人の理解・認識

「プラセボ」という言葉は知らなくても、「偽薬」という漢字を見ると比較的わかりやすい。ただし、偽薬はその語感から、偽造薬と混同される可能性もある。また、ランダム化比較試験などの際に、自分にプラセボが当たることが納得できない人もいるので、心理面に配慮した説明が必要、との意見が専門家からあった。

ポイント

医学系研究でプラセボを使う場合には、「プラセボ」と「候補薬」はセットであることを念頭に置いて説明する。プラセボには薬効がなく、人体に影響がない成分であること、候補薬の効果と比較するために不可欠であること、どちらを投与したか医師も知らないことが多いこと、偽の薬(偽造医薬品)とは全く異なるものであることなどを、場合に応じて説明する。「プラセボ効果」という表現もよく使われるのでわかりやすく説明できるとよい。

例えばこんな言い換え使い方

言い換え例

「プラセボ」 → 候補薬と見分けがつかないが薬効がないもの

「プラセボ効果」 → 効果があると思い込むことで、症状が改善すること

「候補薬」 → 臨床試験で効果を確かめる必要がある新しい薬

プラセボ(偽薬)

候補薬(治験薬)

更新・確認日:2023年2月28日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局