理解しにくい
医学研究用語

生存率、全生存期間

語の説明

「生存率」とは、「ある一定の期間経過した集団について、その時点で生存している人の割合のこと*」。パーセントで示すことが多い。がんの治療成績を表す指標として、「5年生存率」がよく使われる。
「全生存期間」とは、診断または治療、研究の開始から対象者が死亡するまでの時間のこと。死因は問わない。

*国立がん研究センター がん情報サービス 2020年

一般の人の理解・認識

「生存率」は、がんに関してよく使われる用語として知られている(認知率82.8%)。うち正答率は81.3%と高かったが、病気になったときに「自分自身が生きている確率」と誤解するなど、客観的な指標であることを理解していない人がいた。また、この用語に怖いイメージを持つ人もいた。

ポイント

「生存率」の正答率は高かったが、誤解も多く、生存率を調べた調査の特徴や集団(対象者)の偏りによって、生存率の値が大きく変わることが理解されていない可能性がある。よって正しく伝わらないことがある用語として捉え、関連する専門用語の「全生存率」や「全生存期間(OS;Overall Survival)」「相対生存率」などとともに、本文や脚注に説明を追記する。また、過剰な期待や不安につながらないように、生存率を調査した集団の状況を明記する。

例えばこんな言い換え使い方

注釈例

「胃がんIII期の人での○○治療についての研究では、5年生存率は約○%であった。」
(脚注の場合)
注:5年生存率:研究に参加して○○治療を受けた人のうち、5年後に生存していた人の割合

更新・確認日:2023年2月28日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局