理解しにくい
医学研究用語

リスク

注意
一般の日本語とは使い方が違います

語の説明

一般の日本語で「リスク」は、危険性や損害の可能性の有無またはそれらの程度、金融では不確実性を指す。一方で医学系研究では、特に確率を指す用語として、よく用いられる。他には、例えば「ある事象生起の確からしさと、それによる負の結果の組み合わせ*」である。

*日本工業規格JISZ8115ディペンダビリティ(信頼性)用語、2000年

一般の人の理解・認識

よく知られている用語であり(認知率77.8%)、8割近くは「負の結果(病気)」と「確からしさ(確率)」の組み合わせであることを理解していた(正答率76.6%)。一方で、19.4%の人は、「病気や怪我による痛みなどの『症状』のことを言う」(負の結果のみ)を選択していた。一般の日本語では「危険性の有無またはそれらの程度」の意味合いで使われることが多いためだと思われる。

一般の日本語での「リスク」の使われ方

一般でも多くが医学・医療との関連で使用されるが、他には経済関係で「負の結果」を含む意味合いで使われる。

例)市場ではリスクを回避する動きが広がった

ポイント

一般の人の2割程度は「悪い結果=リスク」と考え、確率の概念が含まれることを理解していないと推測される。例えば、医師が「起こりうる可能性」という意味で「この薬には○○のリスクがあります」と説明した時に、「薬の危険性」という負の意味合いを強く受け止め、服薬しないことがありえる。
そのため、よりよく伝えるためには、確率の概念が含まれていることを日本語で理解できる言葉(例えば確率、割合など)を加えて言い換えるとよい。

例えばこんな言い換え使い方

言い換え例

「病気が起きる確率」
「副反応が起きる割合」

更新・確認日:2023年7月18日 問い合わせ先:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト事務局