予後、転帰
語の説明
この語群も「アウトカム、エンドポイント」と同様に、研究を行った際の「結果」を示す用語である。
「予後」とは、医療では「今後の病状についての医学的な見通し」だが、研究では「研究を行った後の経過とその結果」という意味で使用される。
「転帰」とは、「ある一時点での結果」のことである。一時点とは例えば、医療の文脈であれば治療が終了した時点、研究の文脈であれば研究が終了した時点を指すことが多い。通常、改善、悪化、不変などといった状態で示される。予後と異なり、未来の状態を予測する意味合いは含まない。
一般の人の理解・認識
国立国語研究所の調査では、「予後」の認知率は52.6%だった。*医師が患者に病状の見通しを説明する際に「予後は○ヶ月です」などと「余命」の婉曲表現として「予後」が用いられるためか、予後を余命と誤解している人もいた。一方で、「転帰」の認知率は3.9%と非常に低かった。
ポイント
「予後」は「余命」と混同される可能性がある用語だが、研究で使う場合には、「余命」の意味合いは含まないことに注意する。通常口頭で説明する場合は、「成績」「結果」と簡単にまとめて説明している、という専門家の意見もあった。
被験者などに対して「転帰」を説明する機会は少ないと思われる。もし使用する場合には、一般には使われない用語であることを考慮し、いつの時点の状態のことなのか、具体的に示して言い換える。
例えばこんな言い換え使い方
言い換え例
予後 →
「今後の病状についての医学的な見通し/研究の後の経過と結果」(文脈に応じて使い分ける)
転帰 →
「研究終了時点の結果」
更新・確認日:2023年8月7日
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